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研究活動概略

 我々の教室の研究戦略としては実験室での研究成果を現場で実践し、その結果を実験室での研究計画に反映するという「Back & Forth」の方式をとっている。実験室では、実験動物からヒトの個体レベルの研究を行い、その成果を社会的に実践する現場として平成9年に「松本市熟年体育大学」を松本市の協力で開始した。過去11年間の努力の結果、この事業は、運動処方効果に関する科学的証拠を蓄積したわが国唯一の事業として注目されるまでに成長し、さらに、これを研究フィールドとしても使用することが可能となった。

 

大きく以下の4つのテーマについて研究を行っている。

1)ヒト運動時の血圧・体温調節機構に関する研究:

卓越した運動能(移動能)と血圧・体温調節能という、人類特有の遺伝形質の解明に焦点をあてて研究を行ってきた。特に、血液量と血漿浸透圧の変化は循環調節に影響を与え、ヒトの運動能と血圧・体温調節能に密接に関係している。これに関して、「脱水などの非温熱性因子が運動時の体温調節に与える影響」、「持久性トレーニング効果についての蛋白質サプリメントの影響」について研究を行った。さらに、運動時の中枢性昇圧反応機構を解明する目的で「咬合時の昇圧反応機構」について研究を行った。

2)運動に関連する遺伝子についてヒトと実験動物の双方向性研究:

運動時の循環調節に関係する遺伝子の機能についての研究を行った。具体的には、「時計遺伝子CRY欠損マウスの筋血流調節」を行ない、その遺伝子欠損マウスではどのような中枢性の代償機構が働いているのか、を検討した。さらに、「ヒトにおいて運動処方効果の個人差を生む遺伝子の探索」を行った。

3)生活習慣病予防・介護予防のための個別運動処方プログラムの開発:

平成15−17度経済産業省「健康サービス産業創出支援事業」の研究支援によって、運動処方の効果を体力、血液、循環器の各測定値から判定した3,000人を超えるデータベースの構築に成功した。この成功の理由は、携帯型カロリー計、インターバル速歩、IT を用いたe-Health Promotion の開発である。これにとって、場所、時間を問わず「遠隔型個別運動処方」が可能となった。さらに、製品のモニターベッド使用する国内外の複数の民間企業(スポーツ栄養、健康機器メーカー)との共同研究を行った。その後、このトレーニング方法は、厚労省の「国民の運動指導指針<エクササイズガイド>」に大きく取り上げられた。具体的には、「遠隔型個別運動処方プログラムの開発」、「運動処方と健康食品に関する研究」、「インターバル速歩の虚弱体力者への応用」、の研究をおこなった。

4)高地肺血管収縮に関する研究:

高地肺血管収縮は重篤になると高地性肺水腫を引きおこすが、そのメカニズムについてはまだ不明な点が多い。そこで、低地と高地生息動物の低酸素暴露に対する反応を比較する研究を行った。

NPO法人 熟年体育大学リサーチセンター

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